マグネシウム合金ダイカストの化学成分&機械的・物理的性質

ダイカストで使われるマグネシウム合金の代表的な材質の化学成分、および機械的・物理的性質をこちらのページにまとめます。

この記事の著者
ある美

鋳造エンジニア。
製品開発から金型設計に加えて、現場改善まで行うスペシャリスト✨
専門:コールドチャンバーのアルミ合金ダイカスト

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マグネシウム合金ダイカストの化学成分

マグネシウム合金ダイカストの化学成分を以下に示します。

単位:%
JIS記号 ASTM
相当合金
化学成分
Mg Al Zn Mn Si Cu Ni Fe その他個々
MDC1B AZ91B 残部 8.3~9.7 0.35~1.0 0.13~0.50 0.50以下 0.35以下 0.03以下 0.03以下 0.05以下
MDC1D AZ91D 残部 8.3~9.7 0.35~1.0 0.15~0.50 0.10以下 0.030以下 0.002以下 0.005以下 0.01以下
MDC2B AM60B 残部 5.5~6.5 0.30以下 0.24~0.6 0.10以下 0.010以下 0.002以下 0.005以下 0.01以下
MDC3B AS41B 残部 3.5~5.0 0.20以下 0.35~0.7 0.50~1.5 0.02以下 0.002以下 0.0035以下 0.01以下
MDC4 AM50A 残部 4.4~5.3 0.30以下 0.26~0.6 0.10以下 0.010以下 0.002以下 0.004以下 0.01以下
MDC5 AM20A 残部 1.6~2.5 0.20以下 0.33~0.70 0.08以下 0.008以下 0.001以下 0.004以下 0.01以下
MDC6 AS2A 残部 1.8~2.5 0.20以下 0.18~0.70 0.7~1.2 0.008以下 0.001以下 0.004以下 0.01以下

引用元:JIS H 5302-2006

マグネシウム合金ダイカストの機械的・物理的性質

マグネシウム合金ダイカストの機械的・物理的性質を以下に示します。

JIS記号 機械的性質 物理的性質
引張強さ 0.2耐力 伸び 硬さ 衝撃強さ せん断強さ 疲れ強さ5×10^8回 ヤング率 密度 比熱 熱伝導率 線熱膨張係数 導電率IACS 液相線温度 固相線温度
MPa MPa % HRB kJ/m^2 MPa MPa GPa g/cm^3 J/(kg・K) W/(m・K) 10^-6/K %
MDC1B 230 150 3 72 27 140 97 45 1.81 1050 51 27.2 10 598 468
MDC1D 230 150 3 72 27 140 97 45 1.81 1050 51 27.2 10 598 468
MDC2B 220 130 6 72 28 45 1.79 1000 62 25.6 615 540
MDC3B 215 140 6 67 20 45 1.84 1020 68 26.1 620 565
MDC4 210 125 10 68 30 70 45 1.77 1020 65 26.0 638
MDC5 190 90 12 47 45 1.75 1020 94 26.0 638
MDC6 175 110 9 63 45 1.76 1020 84 26.1 632

引用元:ダイカストの標準 DCSM<材料編> (2006)及びマグネシウム協会

機械的性質は各種ダイカストの比較のために示したものです。

マグネシウム合金の諸外国の類似合金

マグネシウム合金の諸外国の規格と類似する合金について、以下に示します。

JIS H5302
(2006)
ISO 16220
(2005)
ASTM B 94
(2000)
MDC1B MgAl9Zn1(B) AZ91B
MDC1D MgAl9Zn1(A) AZ91D
MDC2B MgAl6Mn AM60M
MDC3B MgAl4Si AS41B
MDC4 MgAl5Mn AM50A
MDC5 MgAl2Mn AM20A
MDC6 MgAl2Si AS21A

それぞれの規格はこちらになります。

  • JIS:日本
  • ISO:国際規格
  • AA、ASTM、FS、SAE:アメリカ
  • NF:フランス
  • BS:イギリス
  • DIN:ドイツ
  • EN:欧州

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