【6項目でOK】地金の評価は何をすれば良い?確認ポイントを解説します

ある美
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初めて取引する地金企業を評価したい。どんな項目を調査すれば、問題ないと判断できるか知りたいなぁ…。

こういった疑問に答えます。

新たなサプライヤからインゴットを供給するとき、インゴットの品質が気になるところですよね!

特に海外企業から提供を受ける場合、合金の組成等の状態をチェックしないとすぐに使うことはできません。

この記事にある6項目を調べれば、妥当な生産が行われているか?がおおよそ判別できるかと思います。

ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

この記事の著者
ある美

鋳造エンジニア。
年間50以上の自動車部品の開発に関わっています!
製品開発から金型設計に加えて、現場改善まで行うスペシャリスト✨
専門:コールドチャンバーのアルミ合金ダイカスト

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【項目①】材料成分

まずは、発光分光分析で合金の規格にインゴットの組成が合っているかどうか確認します。

発光分光分析とは?

熱や電気などのエネルギーを試料に与えて試料を励起し、その際に発する発光スペクトルを分光器や分光計で分光し、原子、イオン、分子などのスペクトルの波長から定性分析をし、またその強度から定量分析を行う方法。

【出典】コトバンク

測定方法としては、素材を鏡面研磨後に専用装置や専門業者に依頼して測定することができます。

ちなみに、測定結果がかなりバラつくのでサンプル数を増やして測定部位を複数個所測定して平均値で評価するようにしましょう。

バラつきの原因は、金属組織の成長差によるもの。

  • 金型接触部の周辺:よく溶融された状態で急冷されるので合金そのものの組成に近い
  • インゴット中心付近:ゆっくり固まるので個々の金属元素が成長する
ある美
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金型と接触している部位とインゴット中心付近では、発光分光分析の結果の組成が変わります!

重要ではないが規定外元素も測定しておくと良い

基本的にはJISで規定された元素のみ調べればOKなのですが、稀に規定外の元素(Ca、P、Sr)の含有率を調査頂ける企業があります。

ある美
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こうした企業はかなり優良企業です!

というのも、JISで規定されていないCa、P、Srが多く含まれていると金属組織に変化を発生させます。

例えば、Caは金属組織を微細化させるため、インゴット生産時の条件が悪くても金属組織を観察しても問題ないという判定となったり…。

各元素の影響について詳しく知りたい方は、下記を確認してみてください。

アルミニウム合金 津村善重著 金属通信社
ある美
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よくまとまっていてオススメです。
気になる人は要チェック!

また、環境負荷物質(Cd、Pb、全Cr、Hg)の含有量を調べるメーカーもあります。

CdPbCrHg
RoHS/ELV法規制値 100100010001000

【項目②】地金外観

まず、地金のサイズをチェックしましょう。

  1. サイズ
  2. 外観の様子

地金外観のサイズ

アルミ合金で私が知っている範囲だと、5kg・10kgの2種類があります。

アメリカ系の地金企業は、ビッグサイズの10kgで作っていることが多い印象です。

チェックする理由としては、例えば、新しい工場を海外で建設したときに、日本メーカー基準で溶解炉を設定すると大変なことになります。

ある美
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10kgは溶解炉に落とすとき位置エネルギーが多く、溶解炉を壊しちゃうわ!

地金外観の様子

外観の引けパターンによって何の成分が多いか判別することができます。

例えば、亀甲形状で引けているとSi(シリコン)成分が多い…など。

金型接触部の外観では、酸化物がや汚れが見えるときは金型清掃やアルミ残りが除去できていない、といったことが客観的に判断できます。

地金が二重三重になっている場合は、以下のような生産状態であることが予想できます。

  • 配湯を手作業でやっている可能性がある
  • 溶解炉が常に空の状態で配湯を繰り返している(安定生産できていない)

【項目③】地金断面カラーチェック

水素ガスが脱ガスできているかどうかを調べるときは、地金断面を研磨してカラーチェックをしましょう。

カラーチェックは簡易的なガス量の調べ方になるため、多いか少ないかは調査する人の感覚的な判断となってしまいます。

詳しく調べたい人は、減圧凝固法やKモールド法でといった方法で確認しましょう。

ちなみに、脱ガスには2パターンの方法しかありません。

  • フラックスフィーダー
  • 不活性ガス吹きかける

上記のような工程を設けているのにガスの吸収量が多い場合は、溶解保持の温度が高すぎることが予想されます。(温度が高いとよく吸収する)

【項目④】地金断面マクロ組織

マクロ組織で金型接触部付近に柱状組織、最終凝固ら辺で等軸晶があるか確認しましょう。

ここで、上記以外な凝固パターンがあると、例えば、添加物が多くなっていたりすることがあります。

例)Caが多いと柱状組織ができない。

【項目⑤】地金破断面観察

地金を小さな試験片(1cm × 1cm × 地金厚み分)にカットして負荷をかけて、破断させてみましょう。

酸化物などの介在物がないか?金型の汚れなどが混入していないか?を確認し、製造工程に問題ないか確認を行います。

【項目⑥】地金断面ミクロ組織

地金の断面を研磨して、顕微鏡で観察しましょう。

不純物が含まれている場合、結晶組織に異常を確認することができます。

【項目④】地金断面マクロ組織と少し話は重なりますが、例えばCa添加でアルミシリコン組織の微細化することが確認できます。

まとめ

地金調査で必要な項目についてまとめました。

この記事にあるような調査を実施すれば、地金品質と地金メーカーの良し悪しが判別できると思います。

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